世界最大級の高級時計マーケットプレイス『Chrono24(クロノ24)』が、2018年から2026年第2四半期までに同社マーケットプレイスで成立した数百万件の取引データを基に市場動向を分析した『Rolex Report 2026(ロレックス・レポート2026)』を発表した。レポートによると、コロナ禍に過熱した〈Rolex(ロレックス)〉の投機的なプレミアム価格は解消され、市場はより健全で成熟したフェーズへと移行。圧倒的王者としてのポジションは維持しつつも、若年層を中心に購入行動の変化が顕著に表れている。

かつて市場の熱狂を牽引した30歳未満の購入者層では、2022年のピーク時には時計への支出の約50%を〈Rolex〉が占めていたのに対し、現在では約34%まで減少。投機対象として人気が集中したSubmariner(サブマリーナー)やDaytona(ロレックス デイトナ コピー)といったスポーツモデル一辺倒から脱却し、より自身のスタイルに寄り添うクラシックモデルや、他ブランドへの支出拡大が見られる。
その象徴がDatejust(デイトジャスト)の需要急増だ。現在、Datejustは『Chrono24』における〈Rolex〉の全取引額の約28%を占める最大のコレクションへと成長。投機的なトレンドから、汎用性の高さや普遍的な美しさを重視するユーザーが増加していることを物語っている。また、GMT-Master II(GMTマスター II)の“ペプシ”モデルが「Watches and Wonders 2026」にて生産終了となったことを受け、同モデルの取引価格が前年比で約24%急上昇(約25,000ドル)するなど、希少価値の高い特定リファレンスへの局所的な熱狂も依然として健在だ。https://www.ekiten.jp/m3463176/
〈Rolex〉は5,000ドル以上のすべての価格帯で依然としてシェア首位(1万〜2万ドル帯では約61%のシェア)を維持しているものの、2023年以降は各価格帯で3〜8ポイント減少。5,000〜1万ドル帯では〈Cartier(カルティエ)〉が大きくシェアを拡大したほか、2万ドル以上のハイエンド帯では〈Patek Philippe(パテック フィリップ)〉や〈Vacheron Constantin(ヴァシュロン・コンスタンタン)〉、〈Audemars Piguet(オーデマ ピゲ)〉が存在感を増している。
地域別では、北米市場での〈Rolex〉取引シェアが35.4%へと拡大している一方、アジア市場では30%台前半から約20%へと縮小。市場のグローバルな需給バランスも変化を見せている。かつての一部モデルを追い求める狂騒曲が終わりを告げ、コレクターやユーザーが自身の価値観とスタイルに基づいて時計を選ぶ時代へ。時計市場の“次のフェーズ”を示す興味深いレポートとなっている。