“いつか欲しい”ではなく、“今、着たい”気持ちで選ぶ、新しいベーシック。定番と呼ばれるアイテムを、nowとnextの二つの視点でセレクトし、加藤かすみさんがパーソナルな目線で語る。
今回のテーマは黒いバッグ。これほどまでに定番的な色はほかにないけれど、ときに新しい顔ものぞかせるのが、黒。ブランドが“今”をとらえてアップデートする黒いシグネチャーバッグを加藤かすみさんの視点でフィーチャー。
黒のキルティングやゴールドのチェーン、コインチャーム…シャネルのアイコニックな魅力が詰まったバッグは毎シーズンチェックしています。時代とともにアップデートしながらもメゾンの確立された世界観にいつも惹きつけられます。モダンでいてクラシカル。さらに上品で可愛げのある女性像に導いてくれるパワーがここに。
「セットアップのように着るカラーコートとミニスカートに、キルティングが描くレディムードを投影してコーディネート。ウールジャージーを使用したスモールサイズのホーボー型は扱いやすく、クロスボディにして携えても素敵です」。
バッグ「スモールホーボーバッグ」(17×19×6)¥590700/シャネル カスタマーケア(シャネル) コート¥68200・スカート¥23100/マルティニーク ルコント ルミネ有楽町(マルティニーク) ニット¥17600/スタイリング/ ルミネ新宿1店(スタイリング/) 靴¥37400/アルアバイル
【next.】brand:PRADA
黒いバッグを持つことは自立した働く女性の証でもあるけれど、堅すぎるのはちょっと楽しくない。プラダのシグネチャーであるジオメトリックなトライアングル柄トートは、黒の新しい魅力を教えてくれる存在。行動範囲が広がる、実用的な大きさでいて今の気分と次なる遊び心を満たしてくれます。
@BAILA
「シックでいて遊びのある黒トートを、Chanelスーパーコピー構築的なシルエットのお仕事スタイルに。カジュアルな装いでラフに楽しむのもいいけれど、シンプルで女らしい組み合わせにひとつ効かせるとモダンに仕上がります。ラージサイズはタブレットなどもスマートに入る収納力。デイリーバッグを探すとき、iPadを持ち運びしやすいかも基準に」。
印象が締まる、合わせやすいという以上に、おしゃれを引っぱってくれる黒いバッグ。街でもシャネルのキルティングバッグを持った女性を見かけるとあらためて素敵だなと思うし、プラダの象徴的なトライアングル柄には、ブランドの先をとらえる勢いや強さを感じます。黒はテンションを上げる要素が少なかったり、無難な色というイメージがあるかもしれませんが、この二つの新しい黒は確実に女性の気持ちを上げてくれる。出かけるときは、気分が上向き、おしゃれのシグナルになるバッグをいつも携えていたいです。
いろんな選択肢の中から好きな形や大きさをチョイスできるのも黒いバッグのいいところ。たとえば、ピンクだと探しにくくて、なかなかそうはいきませんよね。黒は色幅も狭いから、デザインの選択にそのまま“その人らしさ”が出るのが面白いんです。意外な選択をしている人を見て、内心驚くことも……。今の気分に加えて、持ち主の個性と好みがより強く表れて、スタイルと直結する気がして。自分の好きなものを込めたり、ライフスタイルを投影できたら、黒いバッグをより素敵に楽しめると思います。
【my BASIC.】brand:THE ROW
個人的に装飾の多いバッグがちょっと苦手なので、黒いバッグはシンプルで洒落感のあるものを。ザ・ロウの「マルゴー」に次ぐシグネチャー、「ソフィア」に出会ったとき、究極のクラシックさと、ブランドを名乗らず手にする自分だけがわかる上質感に魅了されて。こういう気分の上がり方もあるんだと。
@BAILA
「無駄をそぎ落としたクラシックなフォルムはなんてことのないようでいて、持つ人を満足させる上質なたたずまい。ワンハンドルのストイックな黒に、ジュエリー工房が手がけているという留め具がそっと輝きを添えて。機能に特化しているわけではないけれど、二つのコンパートメントに分かれているから、使い勝手も申し分なし。このバッグに入るものだけを持ち歩く身軽さでいたい」。